デイサービスや訪問歯科と併用できる?——訪問診療のスケジュールの組み方

「月・水・金は一日デイサービスで、木曜は訪問歯科が入っていて……空いているのは火曜くらいなんです」。ケアマネージャーの皆様からのお電話は、こんな前置きから始まることがよくあります。それも、少し申し訳なさそうに。「こんなに埋まっていても、来ていただけますか」と。

結論から書きます。予定が埋まっていても、訪問診療は組めます。それどころか、デイや訪問歯科がきちんと入っているお宅のほうが、日程は決めやすいくらいです。今日は、その理由と、実際にどう組み立てていくのかを書いてみます。

予定が埋まっているほうが、実は組みやすい

外来の受診は「その日に行ける時間を探す」作業です。体調、送迎の都合、待ち時間。毎回それを考え直すことになります。訪問診療はここが逆で、あらかじめ曜日と時間を決めて、こちらから伺うかたちになります。

デイサービスは曜日が固定されていることがほとんどですし、訪問歯科や訪問看護も、だいたいの曜日は決まっています。つまり「埋まっている枠」がはっきりしているぶん、空いている枠もはっきりしている。ここに定期訪問を置いてしまえば、あとは毎月おなじリズムで回っていきます。

訪問の頻度は、月に1回のこともあれば2回のこともあります。ご本人の状態や必要な処置によって変わりますので、この考え方は診察の頻度は暮らしに合わせての記事にまとめました。月1回でよい方であれば、選べる枠はぐっと広くなります。

「本枠」と「予備枠」——ずれる前提で決めておく

日程を決めるときは、「毎月第2火曜日の午後」というように、曜日と週と時間帯をセットで固定するのがいちばん安定します。当院は札幌市中央区を中心に地域ごとのルートを組んで回っていますので、固定していただけると、こちらも動きやすくなります。

そのうえで、できれば予備の枠も一緒に決めておきたいところです。在宅の予定は動くもので、訪問歯科の時間が前後したり、体調を崩してデイをお休みしたり、急な受診が入ったりします。「本枠は第2火曜の午後、動いたら第3火曜の午前」と決めておくだけで、当日の連絡がずいぶん楽になります。

実際にどう組むかは、初回にお話を伺いながら決めています。相談から初回訪問までの流れは訪問診療の始め方にまとめていますので、あわせてご覧ください。

デイや訪問歯科と重なりそうなときは

まず前提として、診察のためにデイをお休みしていただく必要はありません。デイは多くの方にとって、人と会って体を動かす貴重な時間です。訪問歯科も、お口の状態を保つという意味で食事に直結しています。医療の予定がそれを押しのけてしまっては、本末転倒だと思っています。

訪問歯科のように時間が前後しやすいサービスと重なりそうなときは、前日でも当日の朝でも構いませんので、ご一報ください。午前へ前倒しできることもありますし、難しければ予備枠へ動かします。ケアマネージャーの皆様や事業所から直接ご連絡いただいてもかまいません。当院の連絡のとり方は多職種連携のICTツールの記事に、電話とFAXを軸にした実際を書きました。

訪問看護が入っている場合は、あえて同じ日に寄せて情報を揃える組み方もあります。役割の分かれ方は訪問看護と訪問診療の違いをご覧ください。

よくいただくご質問

ご家族の立ち会いは毎回必要ですか

毎回の同席は必須ではありません。お仕事のあるご家族が多いので、大事な説明は改めてお電話でお伝えすることもよくあります。詳しくはご家族の立ち会いは必要かにまとめています。

今のかかりつけ医は続けられますか

続けられます。専門的な治療は今の先生に、日々の管理は在宅で、という役割分担はよくあるかたちです。考え方はかかりつけ医がいる場合の併診に整理しました。

ご家族が代わりに受診して薬だけもらっている状態からでも切り替えられますか

そのご相談も多くいただきます。紹介状がそろっていなくても始められますので、紹介状がなくても訪問診療は始められるかもあわせてご覧ください。

ショートステイや入院で留守にする月はどうなりますか

その月だけ日程を組み直します。お戻りの予定が見えた時点でご連絡いただければ、こちらで調整します。

月に1〜2回の訪問で、していること

「月1回で足りるのか」というご心配もよく伺います。訪問では血圧・脈・呼吸を診るだけでなく、食事の進み具合、眠り、排泄、足のむくみ、体重の変化といった暮らしの手ざわりを一緒に確かめます。ご家族やヘルパーさんが日ごろ気づいていることが、そのまま大きな情報になります。

必要に応じて、その場で採血や尿検査、迅速検査も行えます。家で受けられる検査の範囲は訪問診療でできる検査に詳しく書きました。介護保険の更新に必要な主治医意見書や、訪問看護指示書といった書類もこちらでお出しします。

そして、定期の訪問とは別に、具合が悪くなったときの往診があります。夜間や休日の動き方は夜間・休日の往診にまとめました。定期訪問が入っているということは、何かあったときにまず電話をかけられる先がある、ということでもあります。

予定表の隙間ではなく、暮らしの都合から決める

ときどき、「先生の都合のいい日に合わせます」とおっしゃっていただくことがあります。ありがたいのですが、私たちが合わせるべきはご本人の暮らしのほうです。午前中は体が動きにくい、午後は眠くなる、この曜日は家族が来られる——そういう事情をまず伺って、そこから枠を決めていきたいと思っています。

デイで埋まっている、訪問歯科が入っている、訪問看護もリハビリもある。それは支えの手がそれだけ多いということで、むしろ心強い状態です。そこに医療をどう差し込むかは、あとから考えれば足ります。

札幌市中央区を中心に訪問診療を行う当院では、「火曜しか空いていないのですが」というご相談から承っています。まずはお電話で、今の予定表のことを教えてください。

この記事を書いた人
札幌インターナショナルクリニック 院長 吉峰 玲
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