夜間・休日の往診はどこまで対応できる?——訪問診療の24時間対応の仕組み
夜中に熱が上がった、呼吸が苦しそう、いつもと様子が違う——こうした場面で、家族が最初に迷うのは「これは救急車を呼ぶレベルなのか、それとも朝まで待てるのか」という判断です。訪問診療を利用していると聞いて安心する一方、「夜間や休日は、実際どこまで対応してもらえるのか」が気になる方も多いのではないでしょうか。
今日は、在宅医療における夜間・休日対応の考え方について整理します。
「24時間対応」とは、常に医師が家に来ることではありません
訪問診療を行う在宅療養支援診療所は、24時間連絡が取れる体制を整えることが求められています。ただし、これは「連絡が取れる」ということであって、すべての連絡に往診で応じるという意味ではありません。まずお電話で状況をうかがい、必要性に応じて往診・翌朝までの経過観察・救急要請のいずれかを判断する、というのが基本の流れです。当院でも、受付時間外の急変時には24時間対応の窓口をご用意しています。
お電話でまず確認すること
連絡をいただいた際には、次のような内容をうかがいます。
- いつから、どんな症状が出ているか
- 体温・呼吸の様子・意識の状態
- 普段飲んでいる薬を服用できているか
これらをもとに、往診が必要か、経過を見てよいか、あるいは救急要請が適切かを判断します。判断の材料になりますので、可能であれば体温計の数値やここ数時間の変化をメモしておいていただけると助かります。
自宅でできること・病院でなければ難しいこと
在宅でできる範囲には、症状の評価、解熱剤や痛み止めなどの調整、点滴、褥瘡や創部の処置、在宅酸素のトラブル対応などが含まれます。状態によっては、その場で対応が完結することもあります。
一方で、CTやMRIといった精密検査、手術や輸血、集中治療が必要になるような状態は、自宅で完結させることが難しく、病院での対応が必要です。往診で状態を確認したうえで、搬送が適切と判断すれば、そのための調整も行います。
こんなサインがあれば、まず連絡を
迷ったときの目安として、次のような症状があれば早めにご連絡ください。
- 呼吸が苦しそう、息切れが強い
- これまでにない強い痛みが続く
- 高熱が続き、ぐったりしている
- 嘔吐が止まらない、水分が摂れない
- 急に意識がぼんやりする、様子がおかしい
夜間・休日にどこまで様子を見てよいか迷う場面については、救急車を呼ぶ判断目安についての記事でも詳しく取り上げています。訪問診療と往診の違いについてはこちらの記事、24時間対応の制度的な仕組みについては在支診についての記事もあわせてご覧ください。
不安な夜を、ひとりで抱え込まないために
「これくらいで連絡していいのか」とためらってしまうご家族は少なくありません。ですが、判断に迷うこと自体が、連絡していただく理由になります。札幌市中央区を中心に訪問診療を行う当院として、夜間・休日の不安な時間を少しでも軽くできるよう、電話でのご相談をいつでもお待ちしています。
札幌インターナショナルクリニック 院長 吉峰 玲