夜間の発熱・呼吸苦、救急車を呼ぶ判断目安——在宅療養中のご家族へ
夜中に発熱や息苦しさが出たとき、救急車を呼ぶべきか、朝まで様子を見ていいのか——在宅で療養している方のご家族にとって、いちばん判断に迷う瞬間だと思います。今日は「まず救急車を呼ぶべきサイン」と、訪問診療が入っているご家庭で使える「相談してから判断する」というルートを整理します。
このサインがあれば、迷わず119
次のような様子が見られるときは、電話で相談する前に、まず119番へ連絡してください。
- 息ができない、会話が続かない、唇の色が悪い
- 呼びかけへの反応が弱い、意識がもうろうとしている
- けいれんが起きている
- 胸の強い痛みを訴えている
- 立てないほどぐったりして、状態が急に悪化している
これらは救急搬送を優先すべきサインです。当院に連絡してから、という順番では間に合わないことがあります。
迷ったときは、救急安心センターさっぽろ(#7119)も選択肢に
「119ほどではない気がするけれど、不安」というときは、札幌市が運営する救急安心センターさっぽろ(短縮ダイヤル#7119、つながらない場合は011-272-7119)で、看護師に相談できます。24時間対応です。ただし、今まさに危険な状態であれば、#7119ではなく迷わず119を選んでください。
訪問診療が入っていると、相談から判断できるという安心材料になります
当院のように、急変時に24時間対応する体制を整えている医療機関がついている場合、次のような流れを取れることがあります。
- まずお電話で症状の経過やこれまでの状態を確認する
- ご自宅でできる対処(水分の取り方、体位の工夫など)をお伝えする
- 必要と判断すれば、緊急往診に伺う
- 状態によっては、その場で救急搬送に切り替える判断を一緒に行う
これは「救急車を呼ばなくてよくなる」という意味ではありません。危険なサインがあれば、当院に相談していただいている間も119を優先していただくことに変わりはありません。ただ、迷う時間を短くし、状況を整理する助けにはなれると考えています。訪問診療と往診の違いについての記事もあわせてご覧ください。
よくある夜間の場面
- 熱はあるが会話ができて呼吸も保てている → まず電話で経過を確認し、必要なら往診で診察
- 「息苦しい気がする」が会話はできる、姿勢を変えると楽になる → 電話で呼吸状態を確認しながら判断
- ご家族が不安で気持ちが落ち着かない → 医療者と話すだけで気持ちが落ち着くこともあります。抱え込まず、まずお電話ください
夜間に備えて、ご家庭でできる準備
- 緊急連絡先を紙に書いて、見えるところに貼っておく
- お薬手帳や普段の状態のメモを、すぐに出せるようにしておく
- 「どこまでの対応を望むか」を、ご家族の間で話し合っておく
これだけで、夜間の判断はずいぶんブレにくくなります。夜間・休日の往診がどこまで対応できるかは別の記事で、当院が在宅療養支援診療所として担う24時間体制については在支診についての記事で詳しく解説しています。
夜間の発熱・呼吸苦は、ご家族が一人で判断しなくて大丈夫です。危険サインがあれば119、迷ったら#7119、そして訪問診療が入っていれば、まずお電話をいただければと思います。
札幌インターナショナルクリニック 院長 吉峰 玲