低血糖はなぜ危ない?在宅での見分け方と対処法——訪問診療医が解説

おやつの時間なのに、なんだかぼんやりしている。手が小さく震えていて、額には冷や汗——「いつもと様子が違う」と感じたとき、その原因のひとつに低血糖があります。糖尿病のお薬を使っている方の在宅療養では、たびたび遭遇する場面です。

低血糖は正しく対処すれば多くは短時間で回復しますが、見過ごすと転倒や意識障害につながることもあります。今日は、在宅での低血糖のサインの見分け方と、今すぐできる対処、再発を防ぐための考え方を整理します。

低血糖のサインに気づく

血糖値が下がりはじめると、手足の震え、冷や汗、動悸、強い空腹感といった体のサインが出やすくなります。さらに血糖が下がると、ぼんやりする、ふらつく、受け答えが鈍くなるなど、意識の状態に影響が出てくることもあります。

ここで注意していただきたいのが、ご高齢の方は典型的なサインが出にくいことがあるという点です。加齢による自律神経の変化や、一部のお薬の影響で、震えや動悸を感じにくいまま、いきなりぼんやりした様子や転倒として現れることがあります。「なんとなくいつもと違う」という家族の直感は、低血糖を疑う大切な手がかりです。

いま、家でできる対処

ご本人の意識がはっきりしていて、ご自身で飲み込める状態であれば、ブドウ糖やジュース、砂糖など、すぐに吸収されやすい糖分をとっていただくのが基本です。少し時間をおいて症状が落ち着くかを確認し、改善が乏しければ当院へご連絡ください。

一方で、意識がはっきりしない、うまく飲み込めない状態のときに、無理に口から食べ物や飲み物を与えるのは誤嚥(ごえん)の危険があり避けるべきです。この場合は横向きに休ませたうえで、すぐにご連絡いただくか、状況によっては救急要請を検討してください。夜間の急な体調変化での判断に迷ったときの目安は、夜間の発熱・呼吸苦での救急車を呼ぶ判断目安についての記事もあわせてご覧ください。

低血糖が起きやすくなる原因

  • インスリンや血糖を下げるお薬の効きすぎ(訪問診療でのインスリン対応についての記事もご覧ください)
  • 食事量が少ない、食事の時間が大きくずれた
  • 体調不良や食欲低下が続いている
  • 腎機能の変化により、お薬の効き方が変わってきた

特に食欲が落ちてきている時期は、これまでと同じ量のお薬を続けることで低血糖を起こしやすくなります。体調や食事の変化に合わせて、お薬の内容や量を見直すことも、在宅での血糖管理では大切な視点です。

再発させないための日々の工夫

測るリズムを決めておく、ブドウ糖やジュースをご自宅のわかりやすい場所に置いておく、体調が優れない日は早めにご連絡いただく——こうした小さな備えの積み重ねが、次の低血糖を防ぐことにつながります。血糖の目標値やお薬の調整は、年齢や持病、低血糖の起こりやすさによって一人ひとり異なります。訪問診療では、その方の生活に合わせた無理のないコントロールを一緒に考えていきたいと思っています。

まずはご相談を

「最近フラつくことが増えた」「数値が安定しない」——そう感じたら、次の受診日を待たずにご連絡ください。札幌市中央区を中心に訪問診療を行う当院として、状態を確認したうえでお薬の調整をご提案します。

この記事を書いた人
札幌インターナショナルクリニック 院長 吉峰 玲
あわせて読みたい
夜間の発熱・呼吸苦、救急車を呼ぶ判断目安
高齢者が急に食べなくなったときの原因と対処

コラム一覧へ戻る

お気軽にご相談ください

「血糖値が安定しない」「低血糖を繰り返している」というだけでも構いません。
札幌市中央区を中心に、通院が難しい方の在宅診療にうかがいます。
English-speaking staff available. Please feel free to contact us.

お電話でのお問い合わせ

電話番号 011-213-1017

FAX 011-213-1018

受付時間 9:00〜17:00(土日祝除く)/急変時は24時間対応