訪問診療でインスリン治療は続けられる?——在宅の糖尿病管理Q&A
「通院がしんどくなってきたんですけど、インスリンは毎日打たなきゃいけないから、訪問診療は無理ですよね」——外来のご相談で、そんなふうに肩を落とされる方に出会うことがあります。
結論からお伝えすると、インスリン治療をしているからといって、訪問診療をあきらめる必要はありません。用量の調整も、自己注射の見守りも、低血糖への備えも、在宅で組み立てることができます。ここでは、定期的に伺う訪問診療(往診との違いはこちらの記事)を前提に、在宅での糖尿病管理についてよくいただく質問にお答えします。
在宅でできること
- 処方・用量の調整:食事の量や活動量の変化に合わせて、基礎分・追加分のインスリンを見直します。
- 自己注射の手技確認:針の刺し方や注射部位のローテーション、保管方法を一緒に確認します。
- 訪問看護との連携:ご本人での自己注射が難しくなった場合、医師の指示のもとで訪問看護師が注射を担う形も検討できます(具体的な運用は診察のうえでご相談ください)。
- 在宅での採血:血糖値のほか、腎機能や電解質などを定期的に確認します。
- 低血糖時の備え:ご家族向けの対応手順や、緊急時の連絡先の共有をあらかじめ決めておきます。
Q1. 低血糖が心配です。夜中に起きたらどうすれば?
「夜中に低血糖を起こしたらどうしよう」という不安は、よくお聞きします。大切なのは、事前に"合図"と"やること"を決めておくことです。
- 合図:手の震え、冷や汗、動悸、ぼんやりする など
- やること:糖分を摂って15分ほど様子を見て、改善しなければ再度確認
- 迷ったときは連絡:夜間・休日を含め、急変時にはご連絡いただける体制を整えています
Q2. 注射針の廃棄はどうすればいいですか?
使用済みの針は、家庭ごみに直接出さず、耐貫通性のある容器(使用済みペットボトルなど)にまとめて保管し、お住まいの自治体のルールに従って処分するのが基本です。廃棄方法に迷うときは、診察の際にあわせてご相談ください。
Q3. 注射の時間帯が不規則でも大丈夫ですか?
はい。勤務や食事のパターンに合わせて、打つタイミングと目標値を一緒に組み立てます。体調の波が大きい時期は診察の間隔を詰め、落ち着けば戻す、というように、診察頻度も状態に応じて調整できます(診察頻度は月1回でも月2回でもいい、という考え方についてはこちらの記事で詳しく解説しています)。
Q4. 高齢の家族で、本人が注射を打てなくなりました
ご本人の能力に応じて、訪問看護と連携しながら安全に運用する方法をご提案します。施設に入居されている場合は、施設の職員の皆様とも情報を共有しながら進めます。まずは状態を診察させていただいたうえで、無理のない体制を一緒に考えます。
まずはご相談ください
「インスリンを続けながら在宅療養できるか不安」「通院がだんだんつらくなってきた」——そうした段階でのご相談で構いません。当院は札幌市中央区を中心に訪問診療を行っており、退院後の在宅療養についてもこちらのページでご案内しています。糖尿病治療を含む内科的な管理への対応可否は、状態によって異なる部分もあるため、まずは診察のうえで一緒に方針を考えさせてください。
札幌インターナショナルクリニック 院長 吉峰 玲
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