かかりつけ医の作り方とは?——訪問診療の主治医との違い
「かかりつけ医はいるにはいるんですけど、実際に困った時に電話が繋がるかというと……」。ケアマネージャーさんからのご相談で、こんな言葉を聞くことがあります。名前だけの「かかりつけ医」では、いざという時に頼りにできません。
この記事では、かかりつけ医と主治医の違いを整理しながら、在宅療養と連携する視点で「頼れるかかりつけ医」の作り方についてお話しします。
かかりつけ医と主治医、何が違う?
- かかりつけ医:日頃の体調管理や、ちょっとした不調の最初の相談先。生活の背景も含めて、長く付き合う医師のことです。
- 主治医:特定の病気や治療について、中心的に責任を持つ医師(入院や特定の疾患の治療で使われることが多い言葉です)。
実際には同じ医師が両方を担うことも珍しくありません。呼び方の違いよりも、「連絡がつくか」「状況が共有されているか」のほうが、暮らしの安心にとってはずっと大事だと感じています。
「名ばかりのかかりつけ医」になりがちな理由
- 夜間・休日に連絡する手段が決まっていない
- 意見書や紹介状のやり取りだけの関係で、生活の実像が伝わっていない
- 訪問看護やケアマネージャーと情報が共有されていない
- 一度決めた診察の頻度が、病状の変化に合わせて見直されない
頼れる関係にするための3つのステップ
STEP1|初診で生活の情報まで伝える
お薬手帳、既往歴、困りごと(眠れない、食欲がない、転びやすい など)、ご家族の体制をメモにしてお持ちいただくと、初回の診察がぐっとスムーズになります。
STEP2|連絡の手順を決めておく
体調が変わったとき、誰に、どうやって連絡するか(電話か、ケアマネージャー経由か)を、まだ余裕のあるうちに確認しておきます。
STEP3|関わる人たちで情報を共有する
訪問看護、ケアマネージャー、薬局と同じ方向を見て動けるよう、情報の橋渡しを行います。誰か一人が抱え込む体制は、長続きしません。
訪問診療につないでおくと安心なこと
通院が難しくなってからでも、訪問診療への切り替えはできます。今のかかりつけ医を替える必要はなく、紹介状(診療情報提供書)を通じて情報をつなぎながら、外来と訪問診療を併用することも可能です。紹介状が用意できない場合の対応についてはこちらの記事でも解説しています。
また、介護保険の申請に必要な主治医意見書についても、当院で作成に対応しています(主治医意見書についての記事はこちら)。かかりつけ医がまだいない状態からのご相談でも大丈夫です。
診察の頻度も、暮らしに合わせて見直せます
かかりつけの関係ができてからも、診察の頻度は固定ではありません。病状が安定していれば月1回、変化が大きければ月2回など、状態に応じて調整します。詳しくは診察頻度は月1回でも月2回でもいい、という記事でご紹介しています。
「乗り換え」というと少し身構えてしまうかもしれませんが、今の関係を断ち切ることではありません。紹介状で情報をつなぎながら、必要に応じて併用する選択肢もあります。まずは、今の困りごとを一度お聞かせください。
札幌インターナショナルクリニック 院長 吉峰 玲