訪問診療の費用はいくら?——自己負担の目安とよくある誤解

「訪問診療って、なんだか高そう」——ご家族からいちばんよくいただく質問のひとつが、費用のことです。特に、通院ができなくなったタイミングでのご相談は、体調への不安に加えてお金の不安も重なりやすいものだと感じています。

在宅医療は制度がやや複雑なため、費用のイメージがつかみにくいのも無理はありません。この記事では、訪問診療の費用の考え方と、よくある誤解について整理します。

まず結論:訪問診療は医療保険が使えます

訪問診療(在宅医療)は、基本的に医療保険で受けられます。年齢や所得に応じて自己負担割合は変わりますが、多くの方は1割・2割・3割のいずれかにあたります。また、自己負担が高額になった場合は、高額療養費制度の対象になることもあります。

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費用の内訳をざっくり理解する

  • ① 毎月の管理にかかる費用:訪問診療は、診察した日だけに費用が発生するのではなく、24時間対応や継続的な管理を前提とした「管理料」が土台になります。
  • ② 訪問のたびにかかる費用:定期訪問の診察料や、必要に応じた検査・処置の費用が加わります。
  • ③ お薬代は別:院外処方の場合、お薬代は薬局で別途お支払いいただきます。

自己負担は月いくらくらい?

正直なところ、この金額は一律にはお伝えできません。訪問の回数や、検査・処置の有無、緊急往診が重なるかどうかによって、月ごとに変動するためです。傾向としては、病状が安定していて定期訪問が中心の月は負担が比較的落ち着きやすく、検査や処置、緊急対応が重なった月はその分上乗せされる、というイメージです。

「うちの場合、月にどれくらいになりそうか」は、状態を伺ったうえで、初回のご相談時にできるだけ具体的にお伝えするようにしています。まずは個別にご確認いただくのが一番確実です。

訪問診療の費用でよくある誤解

誤解①「訪問診療=往診=毎回高い」
訪問診療(定期)と往診(臨時)は別物です(訪問診療と往診の違いについてはこちらの記事で解説しています)。訪問診療は継続的な管理が前提なので、費用は月単位で考えるのが基本です。往診は単発の対応のため、状況によっては割高に感じることがあります。

誤解②「交通費が別に青天井でかかる」
医療機関によって運用は異なりますが、訪問にかかる費用の多くは診療報酬の中に組み込まれています。いわゆるタクシー代のような交通費が別途高額に乗るわけではありません。ただし、夜間や緊急時などには加算がつくことがあります。

誤解③「医療保険と介護保険がごちゃまぜ」
訪問診療は基本的に医療保険、訪問看護・訪問介護・デイサービスなどは介護保険が中心です。ご家庭での支払いは医療保険分と介護保険分が並ぶため、合算するとわかりづらくなります。「訪問診療が高い」というより、医療と介護をあわせた全体像で負担を見直す必要があるケースも少なくありません。なお、精神科の訪問診療を受けている方は、自立支援医療制度の対象になる場合があります(自立支援医療についての記事はこちら)。

誤解④「一度始めたらずっと入らなきゃいけない」
状態が安定して外来通院が可能になれば、訪問診療を卒業することもあります。在宅医療は固定のものではなく、状態に応じて組み替えていくものです。

費用の負担を考えるときに大事な視点

まとめ:まずは「うちの場合」を個別に確認しましょう

訪問診療の費用は、基本的には医療保険で、自己負担割合に応じて決まります。ただし病状や訪問回数によって変動するため、この記事の内容は一般的な目安としてご参考ください。費用の不安だけで訪問診療そのものをあきらめてしまう前に、まずは状況をお聞かせいただければと思います。札幌市中央区を中心に、できる限りわかりやすい説明を心がけています。

この記事を書いた人
札幌インターナショナルクリニック 院長 吉峰 玲
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