褥瘡・皮膚トラブルは訪問診療で相談できる?——在宅でのケアと皮膚科顧問医との連携
おむつ交換のときに、かかとや腰のあたりがうっすら赤くなっていることに気づいた。かゆがっている様子だけれど、皮膚科に連れて行くのは難しい——在宅で過ごすご家族を見ていると、こうした皮膚のトラブルに戸惑う場面は少なくありません。
「訪問診療は内科だけで、皮膚のことは診てもらえないのでは」と思われがちですが、実際には日々の診察の中で皮膚の状態もあわせて確認しています。今日は、在宅での褥瘡(じょくそう・床ずれ)や皮膚トラブルへの向き合い方と、当院の考え方についてお話しします。
褥瘡は「圧・ずれ・湿潤」が絡み合って起きる
褥瘡は、同じ体勢が続くことで血の流れが滞り、皮膚や皮下の組織が傷んでしまう状態です。原因は圧迫だけではなく、体がずれることによる摩擦、汗やおむつの中の湿った状態、栄養状態の低下などが重なって起こります。仙骨(腰の骨の出っ張り)やかかと、くるぶしなど、骨が突き出した部分にできやすいのが特徴です。
訪問診療では、発赤の広がり方や皮膚の状態を確認しながら、体位変換の仕方やマットレス・クッションの見直し、保護材の使い方など、原因を一つずつ整理してご提案しています。皮膚だけを見るのではなく、栄養や排泄、日々の体位といった生活全体から考えることを大切にしています。
褥瘡以外の皮膚トラブルも、まずは診察の中でご相談を
かゆみ、湿疹、乾燥、爪や指先のトラブル、手術後の傷の経過観察なども、訪問診療の診察のときにあわせてお伝えいただければ確認します。すべてをその場で完結できるとは限りませんが、まずは状態を診て、外用薬の調整でよいのか、専門的な処置が必要なのかを判断することができます。
当院の皮膚科顧問医との連携
当院には皮膚科専門医の顧問医が在籍しており、褥瘡などの皮膚トラブルについて助言を受けながら診療にあたる体制を整えています。判断に迷うケースや、より専門的な評価・処置が必要と考えられる場合は、顧問医の意見を踏まえたうえで、皮膚科・形成外科の医療機関へご紹介することもあります。在宅だけで無理に抱え込まず、必要な連携先につなぐことも訪問診療の役割だと考えています。
ご連絡・受診の目安
- 赤みが急に広がった、皮膚が黒っぽく変色してきた
- 傷から膿や強いにおいが出ている、熱を伴う
- 痛みが強くなってきた、ご本人がつらそうにしている
- これまで使っていた外用薬で改善が見られない
こうしたサインがあれば、次の定期訪問を待たずにご連絡ください。点滴や処置が必要と判断すれば、往診(訪問診療と往診の違いについてはこちらの記事でも解説しています)でうかがうこともあります。
ご家族にできる日々のケア
体位変換の回数を増やす、かかとを浮かせる、保湿や清潔を保つ、といった日々の積み重ねが、皮膚トラブルの予防や悪化防止にとても役立ちます。介護用品の選び方や体位変換の具体的なコツについては、訪問時に一緒に確認しながらお伝えしています。ご不安な点は遠慮なく聞いてください。
札幌インターナショナルクリニック 院長 吉峰 玲